意図的に良い結果を出すのは極めて困難です。また、受検者にとって、逆に不利になる恐れがあります。

 クレペリン検査は歴史が長く、受検者も多い伝統的な検査です。長年研究・活用されてきたために、古い時代の判定法を参考にした「良い結果を出すための方法」など、誤った情報も非常に多く流れています。「検査中に作業の量を操作して『定型曲線』『理想曲線』という曲線をえがけば高く評価される」とか、「計算ミスはチェックされていないからとにかく量をかせげば良い」、などというのがその類です。

 SKK式適性検査は、このクレペリン検査を応用発展させた検査ではありますが、その解析手法は独自のものです。作業曲線のパターンだけでなく、受検者の筆跡や筆圧の変化、計算ミスや訂正の出方なども、解析の重要な要素となっています。そのため、用紙上に表れたこれらの情報を見逃さないように、解析は専門員が一枚一枚、直接目で見て行っているのです。しかも、データの蓄積により解析手法は日々進化しており、現在ではクレペリン検査とは違った尺度で、受検者の適性をより詳細に把握することができるようになりました。

 近年、巷にあふれる誤った情報から、意図的な操作(作為)がなされるケースが増えています。採用試験などにおいてこれらが見られた場合、「作為傾向あり」と解析され、大変不利な結果になることがあります。以上のことから、SKK式適性検査(V-CAT)を受検される方々には、決して誤った情報に左右されることなく、正しい姿勢で検査に取り組むようお勧めしています。